ソニー・ライフケア特別対談 Vol.1 出井学×薗田宏 2018年新春対談(2/2)

2018年、そして今後の展望

更新日:2018年02月28日

2017年の振り返りと、プラウドライフのソニー・ライフケアグループ入りの意味 ソニー・ライフケアグループ特別対談

(写真右)ソニー・ライフケア株式会社、ライフケアデザイン株式会社 代表取締役社長 出井 学
(写真左)プラウドライフ株式会社 代表取締役社長 薗田 宏

"ソニー・ライフケアおよびライフケアデザインの出井社長とプラウドライフの薗田社長の対談。後半は2018年の展望、新技術や今後の介護業界・施設のあり方について語り合いました。

2018年の展望

では、今年2018年取り組んでいきたいことについてお聞かせください?

出井

秋以降に「ソナーレ」シリーズの3号ホームとなるソナーレ石神井(東京都練馬区)をオープンします。ホームというのはご入居者が生活の場をホームに移されてからが始まりであり、オープンしてからの半年、一年が特に大切です。

その意味で、一昨年の祖師ヶ谷大蔵、昨年の浦和に続く石神井は、「ソナーレ」のファーストステージの集大成と考えています。オープンまではまだ時間がありますので、「売り」となるサービスをしっかり練り込んで行きたいと考えています。

グループ全体に関して言えば、プラウドライフがグループ入りして2年目の年ですので、「経営品質」を整える時期だと考えています。(ソニー・ライフケアの)企業理念の3つ目に「事業を永続させる。」という言葉があります。言葉としては淡白なものですが、「永続させる」ということは結構な決意表明でもあります。

永続させるには利益あってのこと。ご入居者やスタッフに報いることができるよう、責任感をしっかりと持って、「事業の永続」に向けた経営品質を作っていくということが今年のテーマだと思います。

薗田

この2年間取り組んできた体制整備のメドもつき、いよいよ新しい局面に進むことができるようになりました。新規開設の再開も念頭に置きつつ、まずは、一つ一つの「質の向上」に取り組んでいきたいと考えています。

私は、ホームを差異化できるのは「人」、つまり人材だと考えています。ムスッとした顔より笑顔でケアを受けるほうがいいはずです。教育の面では、「あいさつ」に始まるコミュニケーション力の育成を、チーム形成という面では、面接時における人の見極めの力を磨くことも大切です。そのため、今は情報収集を行い、どのような取り組みをしていくか具体化していきます。

IT技術の進展は、介護現場にも影響があると言われていますが、お二人から見てIT化や新技術で注目している事はありますか?

出井

最近のテクノロジーといえば、ソニーグループとしてaibo(アイボ)に触れざるを得ません(笑)

先日、新しいaiboをソナーレ浦和(埼玉県さいたま市)に持ってきてもらい、実際にご入居者の方々と触れ合ってもらいました。今回のaiboは、うなる、吠える、歩く、踊る。そして可愛がれば可愛がるほど個性を持っていく。実際、ご入居者とaiboとのふれあいを見ていると、ご入居者の表情がものすごく明るくなっていくんです。

テクノロジーというと、ITとロボティックスによる、コスト効率の追求やADLの向上に目が行きがちですが、この辺に関しては使えるものを使えばいいと思っています。しかし、それだけではソニーらしくない。生活のクオリティを意識して、満足度を高める取り組みこそがソニーらしいと思います。その点で、aiboは貢献してくれると思っており、ぜひホームに導入していきたいと考えています。

薗田

「はなことば」では、まだまだアナログの状態で仕事が進んでいます。これまではなかなか投資ができなかった状況でしたが、これからは業務効率化の観点から、ITの導入を進めて行きたいと考えています。ただ、間違えてはいけないのは、先ほど出井さんも言っていた、「良い効率化」「悪い効率化」。IT化によって、単に時間短縮できた、ということではなく、新しくできたゆとりの時間を使って、お客さまとふれあいあふれるコミュニケーションができるか、という観点を忘れてはいけないと思います。

話が少し脱線しますが、私の理想は「マニュアルのないホーム」を作ること。ご入居者とスタッフがお互い助け合いながら共に暮らすホームです。

出井

それは相当チャレンジングですね。

薗田

そうなんです。すべてのスタッフに高い力量が求められますので、簡単ではありませんが、一歩でも近づけるよう頑張っていきたいと思います。

今後のホームのあり方について

最近の介護業界を見ていて気になる動きはありますか?

出井

介護に限ったことではないのですが、最近のシニア層の動きとして、早いタイミングで老後の暮らしを考え始めている人が増える傾向にあります。現在、ソニー・ライフケアでシニアレジデンス(シニア向けマンション)を手がける予定はありませんが、これらのニーズに対して、どのようなサービスが提供できるかは検討する必要があると考えています。

薗田

出井さんがおっしゃるように、お客様がライフスタイルの選択肢の1つとして、シニア向けマンションなどを考え始める方が増えています。これからは、団塊世代以下のいわゆるアクティブシニアの生活をサポートするような住居や在宅に対するサービスなども検討していく必要があるでしょう。

今後のソニー・ライフケア、ライフケアデザインとプラウドライフの関係性についてお聞かせください

出井

本社機能の効率化については、積極的に進めていきたいと考えています。以前より、新設ホームの土地探しについては連携していましたが、さらに経理や人事といったバックオフィス系業務の連携などは進めていきたいと思います。また人材交流という点では、必要に応じて、会社間の出向も行うなど、グループ化の価値も最大限に追求していきたいと思います。

薗田

人材育成・定着の観点から、現場スタッフの交流ができるとよいと思っています。「はなことば」の多くのスタッフは、ソニー・ライフケアグループに入ったといってもまだピンと来ていない人が多いと思います。「ソナーレ」と「はなことば」はサービスの内容やエリアが異なるため、ホーム間での人事交流は難しいと思いますが、同じ職層同士で情報交換ができる場を設けることで、「はなことば」のスタッフたちにソニー・ライフケアグループの一員として自覚と誇りを実感してもらえるのではないかと思います。

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プロフィール

ソニー・ライフケア株式会社
ライフケアデザイン株式会社

代表取締役社長 出井 学

1963年生まれ
1986年 ソニー株式会社 入社
2004年 ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 経営企画部長
2011年 同社 執行役員
2014年 ソニー・ライフケア株式会社 ライフケアデザイン株式会社 代表取締役社長(現在)。

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プラウドライフ株式会社

代表取締役社長 薗田 宏

1974年生まれ
2013年 株式会社まんよう 入社
取締役 兼 事業部長
2014年 同社 代表取締役社長
2015年 ゆうあいホールディングスグループ(3社) 代表取締役社長
2017年 同グループ 合併による社名変更
プラウドライフ株式会社 代表取締役社長(現在)

上記インタビューは2018年1月17日に行われたものです。

記載された提供サービス内容などは、予定のものであり、変更される場合があります。

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